今回も経沢香保子さんの著書
「自分の会社をつくるということ」を読んで思ったことを1つ。

自分の会社をつくるということ
経沢 香保子
ダイヤモンド社
2005-06-24



この本のコンセプトを、経沢さんはブログでこう紹介しています。
女性のための起業本で、
年商1億円で、粗利の高いオンリーワンビジネスをして、
信頼できる数名のスタッフと、
愛されるビジネスをしよう

というコンセプトの本です。
引用: ■『伝え方が9割』、その父上とご飯



「愛されるビジネス」、という言葉。


この言葉と出会ったのは数年前。
もちろん経沢さんのブログで、なのですが
当時は学生だったわたしには、いまいちピンとこなかったんですよね。

素敵な言葉だなーとは思ったのですが
「愛されるビジネス」ってイメージがつかない・・・。

あまり深く考えてみなかった、っていうのもあります。
 
 
そんなこんなですが、14卒の新社会人になって、
わたしはその言葉の重みを痛いほど思い知るのです。
 
 

***



新卒で入社した会社は
とある商品の3次代理店。
電話営業(コールセンター)に配属されました。

売る商材は競合よりも性能が低いのに、値段が2~3倍するもの。 

ですが、
圧倒的な粘り営業をたたきこまれて

 ノルマ達成のため必死で売っていました。



でもやっぱり、その商品に対して知識がある人は「高い」と言って契約してくれません。

だから仕方なく、値段が安い他社商品を提案したり
(失注するよりはマシなので)  
粘って粘って、高額な特典をつける代わりに高いものを買ってもらいます。
(特典は営業マンの裁量で決めることができるのです) 

ただ、知識がない人はオススメした通りに購入してくれるので
高い商品を、特典なしで契約をとることができます。
 
とても良いお客様だと思ってました。



目標を達成することに貪欲なわたしは、
がんがん契約をとって、同期で1位になりました。
全体で1位の日も、何度かありました。


ただ、手放しでそれを喜べなかったです。


ゴリ押しで契約してもらって、「言った、言わない」でトラブルに発展したことがあったり

電話で「訴えますからね」と本気でお客様に言われたことがあったりして。
(さすがに、めまいがするような気持ちに…)

でも、この会社で、この部署にいる限りは、これが仕事なのでやるしかありません。



特に忘れられなくて、後悔しているのが
生活保護を受けている母子家庭のお客様に、その高い商品を売ってしまったことでした。

小学生くらいの女の子とお母さん。
2人とも常識的な質問もわからなくて(例えば住所とか)、電話をスピーカーにして
わたしの話を一緒に、真剣に聞いてくれました。

調べておいてくださいね、と言ったことも
一生懸命調べてくれました。


契約は通常1本の電話で獲れるものなのですが
何度も何度も電話をかけてサポートをしたので、「あ、鈴木さーん(^o^)」とか言ってもらえて。
とても仲良くなって、感謝されました。

でも後々、気が付いたんです。

わたしは自然に、なにも考えず、その高い商品を売っていました。
特典も一切つけずに。

その母娘のことを考えたら、特典の手続きは少々複雑なのでできるか不安だから
少しでも安い商品を選ぶべきだったのに。

お客様にとって良いものを選んであげる、のではなくて
いかにこちらが売りたいものを売るか・・・に
わたしの意識がデフォルトになってしまったんだな、と。

(学生時代、スタバのバイトで身に付けた「ホスピタリティ」はどこへいったやら・・・)

信頼させておいて、高い商材を売りつけてたんだな、と。


その母娘は今も、
わたしが売った商品の料金を払い続けています。


2010年スタバの思い出
↑スタバでのバイト時代。
2010年のクリスマスシーズンで、自分がお客様にできる最高のサービス目標を書いたもの。


***


営業をする上でのこの葛藤を
上司に話してみたら、こう返ってきました。


「わたしたちのお客様は代理店。
代理店が売って欲しいものを売るのが仕事だから。」



代理店がお客様。
理屈はわかるんです。


一方的に「この仕事はおかしい!」なんて言うつもりはない。

ただ、わたしは代理店の利益よりも
目の前の家庭のお財布を守りたいな、と思ってしまうのです。
 

同じことを、自分の親にできますか?と言われたら
わたしはできない。


これは単に価値観の違いだから

この会社のビジネスに共感できなかった
わたし個人がミスマッチなだけなので、嫌なら去ればいいんです。




結果、入社後5ヶ月で退職することになりました。


*** 



自分のお客様をハッピーにした一方で
他の誰かに不利益を与えたり
もっと言うと、「不幸」にする仕事はしたくないなあと

わたし個人は思います。


わたしが契約をとったことで、嫌な思いをした人。
迷惑をかけてしまった人がいます。 

今となっては思い出せないくらい。


時々、猛烈に、申し訳ない気持ちに襲われます。


お客様を大切にする。
いつでも正しいことをする。


そんな経沢さんの姿勢に、わたしも共感します。


そんなビジネスマンであり、人間でいたいです。


今も営業をやっていて、ノルマ達成まで厳しい状況が続いてますが
嘘をついて売ったり(当たり前ですが)、押し売りは絶対にやらないと決めました。


必要ないと思っている人には

欲しい、と思わせるように
やってみたい!と思わせられるように
わたしと仕事をしたい、と思ってもらえるように。


「愛されるビジネス」

この言葉だけは忘れないように仕事をしていきたいと思います。