今回も経沢香保子さんの著書
「自分の会社をつくるということ」を読んで思ったことを1つ。
引用: ■『伝え方が9割』、その父上とご飯女性のための起業本で、年商1億円で、粗利の高いオンリーワンビジネスをして、信頼できる数名のスタッフと、愛されるビジネスをしようというコンセプトの本です。
「愛されるビジネス」、という言葉。
この言葉と出会ったのは数年前。
もちろん経沢さんのブログで、なのですが
当時は学生だったわたしには、いまいちピンとこなかったんですよね。
素敵な言葉だなーとは思ったのですが
「愛されるビジネス」ってイメージがつかない・・・。
あまり深く考えてみなかった、っていうのもあります。
そんなこんなですが、14卒の新社会人になって、この言葉と出会ったのは数年前。
もちろん経沢さんのブログで、なのですが
当時は学生だったわたしには、いまいちピンとこなかったんですよね。
素敵な言葉だなーとは思ったのですが
「愛されるビジネス」ってイメージがつかない・・・。
あまり深く考えてみなかった、っていうのもあります。
わたしはその言葉の重みを痛いほど思い知るのです。
***
新卒で入社した会社は
とある商品の3次代理店。
電話営業(コールセンター)に配属されました。
とある商品の3次代理店。
電話営業(コールセンター)に配属されました。
売る商材は競合よりも性能が低いのに、値段が2~3倍するもの。
ですが、
圧倒的な粘り営業をたたきこまれて
ノルマ達成のため必死で売っていました。
ですが、
圧倒的な粘り営業をたたきこまれて
ノルマ達成のため必死で売っていました。
でもやっぱり、その商品に対して知識がある人は「高い」と言って契約してくれません。
だから仕方なく、値段が安い他社商品を提案したり
(失注するよりはマシなので)
粘って粘って、高額な特典をつける代わりに高いものを買ってもらいます。
(特典は営業マンの裁量で決めることができるのです)
(特典は営業マンの裁量で決めることができるのです)
ただ、知識がない人はオススメした通りに購入してくれるので
高い商品を、特典なしで契約をとることができます。
とても良いお客様だと思ってました。
目標を達成することに貪欲なわたしは、
がんがん契約をとって、同期で1位になりました。
全体で1位の日も、何度かありました。
ただ、手放しでそれを喜べなかったです。
ゴリ押しで契約してもらって、「言った、言わない」でトラブルに発展したことがあったり
電話で「訴えますからね」と本気でお客様に言われたことがあったりして。
(さすがに、めまいがするような気持ちに…)
でも、この会社で、この部署にいる限りは、これが仕事なのでやるしかありません。
特に忘れられなくて、後悔しているのが
生活保護を受けている母子家庭のお客様に、その高い商品を売ってしまったことでした。
小学生くらいの女の子とお母さん。
2人とも常識的な質問もわからなくて(例えば住所とか)、電話をスピーカーにして
わたしの話を一緒に、真剣に聞いてくれました。
調べておいてくださいね、と言ったことも
一生懸命調べてくれました。
契約は通常1本の電話で獲れるものなのですが
何度も何度も電話をかけてサポートをしたので、「あ、鈴木さーん(^o^)」とか言ってもらえて。
とても仲良くなって、感謝されました。
とても仲良くなって、感謝されました。
でも後々、気が付いたんです。
わたしは自然に、なにも考えず、その高い商品を売っていました。
特典も一切つけずに。
その母娘のことを考えたら、特典の手続きは少々複雑なのでできるか不安だから
少しでも安い商品を選ぶべきだったのに。
お客様にとって良いものを選んであげる、のではなくて
いかにこちらが売りたいものを売るか・・・に
わたしの意識がデフォルトになってしまったんだな、と。
(学生時代、スタバのバイトで身に付けた「ホスピタリティ」はどこへいったやら・・・)
信頼させておいて、高い商材を売りつけてたんだな、と。
その母娘は今も、
わたしが売った商品の料金を払い続けています。

↑スタバでのバイト時代。
2010年のクリスマスシーズンで、自分がお客様にできる最高のサービス目標を書いたもの。
***
営業をする上でのこの葛藤を
上司に話してみたら、こう返ってきました。
「わたしたちのお客様は代理店。
代理店が売って欲しいものを売るのが仕事だから。」
代理店がお客様。
理屈はわかるんです。
一方的に「この仕事はおかしい!」なんて言うつもりはない。
ただ、わたしは代理店の利益よりも
同じことを、自分の親にできますか?と言われたら
わたしはできない。
これは単に価値観の違いだから
この会社のビジネスに共感できなかった
わたし個人がミスマッチなだけなので、嫌なら去ればいいんです。
結果、入社後5ヶ月で退職することになりました。
***
代理店がお客様。
理屈はわかるんです。
一方的に「この仕事はおかしい!」なんて言うつもりはない。
ただ、わたしは代理店の利益よりも
目の前の家庭のお財布を守りたいな、と思ってしまうのです。
同じことを、自分の親にできますか?と言われたら
わたしはできない。
これは単に価値観の違いだから
この会社のビジネスに共感できなかった
わたし個人がミスマッチなだけなので、嫌なら去ればいいんです。
結果、入社後5ヶ月で退職することになりました。
***
自分のお客様をハッピーにした一方で
他の誰かに不利益を与えたり
もっと言うと、「不幸」にする仕事はしたくないなあと
わたし個人は思います。
わたしが契約をとったことで、嫌な思いをした人。
迷惑をかけてしまった人がいます。
今となっては思い出せないくらい。
時々、猛烈に、申し訳ない気持ちに襲われます。
お客様を大切にする。いつでも正しいことをする。
そんな経沢さんの姿勢に、わたしも共感します。
そんなビジネスマンであり、人間でいたいです。
今も営業をやっていて、ノルマ達成まで厳しい状況が続いてますが
嘘をついて売ったり(当たり前ですが)、押し売りは絶対にやらないと決めました。
必要ないと思っている人には
欲しい、と思わせるように
やってみたい!と思わせられるように
わたしと仕事をしたい、と思ってもらえるように。
「愛されるビジネス」
この言葉だけは忘れないように仕事をしていきたいと思います。
コメント